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【特集Vol.17】220cmというバーベルの基準を再考する

【特集Vol.17】220cmというバーベルの基準を再考する

競技の合理性が決めた"標準サイズ"

バーベルの“標準”といえば、220cm/20kg。
あまりに当たり前になっているこの前提を、今日は一度疑ってみたいと思います。

このサイズは、ウェイトリフティングをはじめとするバーベル競技で使用するうえで合理的だったからこそ標準になりました。競技では公平性と安全性のため、用具が厳密に規格化されます。だからこそ世界中どこでも同じ条件で記録が比較できるのです。

220cmという長さは、バンパープレートなら約300kg程度まで、パワーリフティングプレートなら600kg前後まで搭載可能。長すぎず、短すぎない。競技という前提においては、非常に合理的な設計です。

ウッドリフティングプラットフォーム上に220cmと190cmのバーベルを俯瞰で並べ、両端に矢印と長さ表示を入れた全長比較。黒ラバーフロアと木目床の対比でホームジムにおけるサイズ差を強調。

220cmの"競技規格"バーベルと、スリーブを左右15cmずつ短縮した190cmショートスリーブバーベル

 


しかし、私たちのジムは競技会場ではありません

その合理性は、あくまで「競技」という前提の話です。一般のジムや日本のホームジムにおいても、220cmは本当に最適でしょうか。

日本のトレーニング環境は、厳しいスペース制約と隣り合わせです。ラックを置けば動線はタイトになり、壁や柱が近く、保管場所も限られる。そうした空間では、220cmという長さが扱いやすさを下げる場面も少なくありません。

とはいえ、単純に短くすれば解決するわけでもありません。バーベル設計で最も崩してはいけないのが、ラックに掛かる“スリーブ間の距離”です。ここを変えてしまうと、多くのラックやスタンドにマウントできなくなります。

つまり、現実的な最適化の主戦場は「全長」そのものではなく、スリーブ(プレート装着部)の長さなのです。

黒背景のスタジオで複数のROGUE製バーベルを真上から水平に並べた比較構図。THE STUMPやOHIO POWER BARなどモデル名付きで、シャフト径やスリーブ長の違いを視覚的に示すバーベル長さ比較シーン。

世界最大の総合フリーウェイト器具メーカーROGUEでは、数種類のショートスリーブバーベルを製造しています

 


バーベルの長さは“環境”に合わせて選ぶ時代へ

スリーブを短くすれば、設置環境への負担は軽くなる。一方で、積載できる重量や使い方の自由度とのバランスも考えなければならない。そこに“選べる価値”が生まれます。

MBCはこれから、設置場所(部屋・ガレージ・小規模ジム)や使用者のレベル、目的に合わせて「最適な長さを選べる」という価値観を、日本の市場で当たり前にしていきたいと考えています。

バーベルの長さは、“規格”に合わせるものではなく、“環境”に合わせて選ぶもの。「本格的なバーベルは220cmである」という常識から、少し自由になってもいいのではないでしょうか。

 


MBCでは現在、173.5cmから190cmまでのショートスリーブバーベルをラインナップしています。いずれも商用・競技用水準の耐久性と仕様で製造されています。

今後も、限られたスペースでも妥協なく使えるショートスリーブバーのラインナップをさらに拡充していきます。用途に合う一本を、ぜひ商品一覧からご検討ください。

※本稿は一般向けショートスリーブバーに関する内容です。シャフト径の細い女性用バーやジュニア規格のバーベルは、ショートスリーブバーとは用途や設計思想が異なります。

 



筆者:店長 神野
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