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【特集Vol.8】バーベルマニアの終着点、ベアスチールバーベルの魅力

【特集Vol.8】バーベルマニアの終着点、ベアスチールバーベルの魅力

コーティングを削ぎ落とした先に残る
究極のグリップフィーリング

ブラック背景に配置したベアスチールバーベル全体を横から表示し、無塗装シャフトと鏡面スリーブの対比を示す構図

当店では時折、ある商品について次のようなお声をいただくことがあります。

「購入したバーベルがすぐに錆びてしまった」

この「ある商品」とは、"パワーリフティングバーの世界最高峰" とも評される、スウェーデンELEIKO社製『ELEIKO パワーリフティングコンペティションバー』のことです。

しかし、このバーベルが錆びやすいのは、決して不良ではありません。

その理由は、シャフト部分にコーティングを施さない鋼鉄――つまりベアスチールが採用されているからです。

ELEIKOは、最高のグリップ性能を実現するために、あえてシャフトに「錆びやすい無垢鋼」を選択しています。

言ってみれば、これはプロ料理人用の鉄フライパンのようなもの。
錆びること自体が想定内であり、適切な手入れを前提とした道具なのです。

競技会場でELEIKOロゴ入りシャフトを正面から掲げる選手の手元を捉え、ベアスチール特有のグリップ感を表現

究極のグリップフィーリングを追求した ELEIKOのベアスチールバーベルは、パワーリフティングの世界大会においても、ほぼ100%の使用率を誇っています。

 


■ 「ベアスチール」とは、バーベルを使い続けた先で行き着く選択

バーベルのシャフトには、金属メッキ、セラミックコーティング、化学反応による皮膜形成など、さまざまな表面処理が施された製品が存在します。
また、表面処理ではありませんが、シャフト素材そのものにステンレス鋼を採用したバーベルもあります。

これらはいずれも耐腐食性やメンテナンス性といった点で優れた特性を持ち、それぞれに長所があります。

しかし、長年にわたりヘビーウェイトを扱い、日常的にバーベルを使い込み、数多くのバーを試してきたトレーニング愛好家や競技者ほど、最終的にある一つの選択に辿り着くケースが多いと感じます。
それが「ベアスチール(無垢鋼)」です。

ベアスチールとは、コーティングを施さない鋼材そのものです。メンテナンスを怠れば数週間で赤錆が浮き、適切に管理していたとしても、時間の経過とともに色味や風合いは変化していきます。

それでもなお、ベアスチールのバーベルが選ばれる理由は至ってシンプルです。

「手に吸い付くような究極のグリップ感」

一度この感覚を知ってしまうと、他のバーベルでは満足できなくなる人も少なくありません。

実際、パワーリフティングの世界でも、トップレベルに行くほど、
ベアスチールを好む競技者は多くなります。

理由は明確です。記録に直結する“グリップ力”が最も高く、皮膚への負担も少ないからです。

なお、同じくシャフト表面が金属むき出しであっても、ステンレス鋼製バーベルはベアスチールの完全な代替とはなりません。
ステンレス鋼はシャープでダイレクトなローレットを実現できる一方、表面に生成される酸化クロム皮膜の影響により、素材自体の摩擦係数は低下します。

その結果、グリップフィーリングは似て非なるものとなり、「素材そのものが生む摩擦感」という点において、ベアスチールとは明確な差が生じるのです。

チョークが付着したシャフトを横から接写し、ベアスチールバーベルの素地と摩擦感を強調した使用直前の手元描写

唯一無二のグリップフィーリングは、剥き出しの鋼でのみ実現します。

 


■バーベルを「育てる」という使い方

さらに、ベアスチールバーベルには使い込むほど手に馴染んでいくという特徴があります。

適切にメンテナンスを行い、表面を適度な酸化状態に保てば、グリップフィーリングはより向上し、次第に手放せない最高の道具へと仕上がっていきます。

使うほどに変化し、やがて「自分だけの一本」へと育っていく、それがベアスチールバーベルです。

もちろん、錆や変色が避けられず、日々のメンテナンスに手間がかかるため、決して万人向けの製品ではありません。

しかし、その価値を理解し、手間を惜しまず付き合える人にとっては、ベアスチールこそが究極の一本になり得ます。

最高のグリップを求める競技者はもちろん、「バーベルを手入れし、育てながら使う」こと自体を楽しめる上級者にとって、ベアスチールバーベルは一つの“終着点”だと、私は思っています。

 


ベアスチールバーベル 「ELEIKO パワーリフティングコンペティションバー IPF公認品」 商品ページへ



筆者:店長 神野
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