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【特集Vol.7】MBCオリジナルバーベル解説 — 目指したのは「多目的パワーバーの新基準」

【特集Vol.7】MBCオリジナルバーベル解説 — 目指したのは「多目的パワーバーの新基準」

前回の特集では、中国製バーベルの現状についてお伝えしました。今回はそれを踏まえ、MBCが「ジャパンデザイン・チャイナビルド」により企画開発した、初めての自社オリジナルバーベルの特徴について、以下のポイントごとに解説していきます。

  1. なぜ「多目的パワーバー」なのか
  2. なぜ2種類の長さがあるのか
  3. なぜこのローレット形状にしたのか
  4. なぜこのスリーブと回転機構にしたのか
  5. なぜリーズナブルな価格を実現できたのか

白背景でブラックシャフトとシルバースリーブを斜めに配置し、190cm多目的パワーバーの全体バランスを確認できる製品カット
1.なぜ「多目的パワーバー」なのか

MBC オリジナルバーベルは機能設計上「多目的バー」に分類されます。

「多目的バー」とは汎用性の高いバーベル全般の総称となり、一口に「多目的バー」と言っても、その用途や仕様は様々です。

欧米の場合はクロスフィット文化が根付いており、バーベルを床にドロップできるジムも多いため、BIG3のようなスローリフトとクリーンやスナッチのようなクイックリフトを半々程度にこなせるクロスフィット向けの多目的バーが主流です。

一方、日本のジム環境では、クイックリフトや頭上からバーベルをドロップするようなトレーニングはまだ一般的ではありません。そこでMBCでは、あくまでも BIG3を中心としたスローリフトを主用途としながら、幅広いトレーニングに対応できる「多目的に使えるパワーバー」 として本製品を設計しました。

パワーバーとしての堅牢性を持たせつつも、競技用パワーバーに見られる尖った特徴(アグレッシブローレット、極端なしなり対策など)は排除。誰にでも扱いやすい設計を徹底しています。


ウッドプラットフォーム上に220cmと190cmのバーベルを並べ、全長比較を俯瞰で示したMBCショートスリーブ仕様のサイズ解説
2.なぜ2種類の長さがあるのか

MBCオリジナルバーベルは、220cmと190cmの2種類の長さをご用意しています。(※220cmタイプは2025年2月より販売開始予定)
220cmはオリンピックバーベルの標準サイズで、190cmはスリーブを短縮したホームジム向けタイプになり、用途に応じて最適な長さを選べるようにしています。

このショートスリーブタイプの190cmというサイズについて、MBCではさまざまな長さをバーベルを試作した上で実際にホームジムに持ち込み比較検証し、プレートストレージを装着したラックの幅とほぼ同じである190cmが最も実用的であるという結論に達しました。

これが180cm前後ではプレートの搭載量が不足しがちで、一方200cm前後の長さになると日本特有の4畳半〜6畳ほどのホームジムでは取り回しが難しくなるためです。

ショートスリーブタイプの190cmという全長は、日本のホームジム環境で最も「使いやすさ」と「取り回し」のバランスに最も優れたサイズとして、私たちがたどり着いた結論です。


ブラックコーティングのローレット部分を斜め接写し、鋭い刻みと滑り止め性能を強調した多目的パワーバーのグリップ部
3.なぜこのローレット形状にしたのか

ローレットは、1.2mmピッチのボルケーノ型を採用しました。過度に攻撃的でない適度なグリップフィーリングで、女性や初心者でも痛みなく握れ、かつある程度の高重量トレーニングにも耐えられる絶妙なグリップバランスを目指しました。

シャフトの仕上げはブラッククロムコーティングステンレススチールベアメタルの2種類からお選びいただけます。
ローレット加工そのものは両タイプ共通ですが、コーティングの有無によってグリップフィーリングが若干変わります。表面にコーティングを施していないステンレスシャフトのほうが、ブラッククロムよりもややエッジ感の強いグリップフィーリングとなります。


分解したスリーブ部品と真鍮ブッシングを正面から並べ、MBCオリジナルバーベルの回転機構構造を視覚的に示すパーツ構成
4.なぜこのスリーブと回転機構にしたのか

スリーブ部分についても、形状・機能・表面処理にいたるまで全てにこだわりを持って設計を行っています。

・静音性を高めたスリーブ仕上げ
バーベル両端のスリーブ(プレート装着部分)は、表面を滑らかに仕上げたスムーズ仕上げになっています。プレート脱着時に金属同士が擦れる音が出にくく、ホームジムでも騒音を抑えられる工夫です。

・インナーカラーの幅と使いやすさ
スリーブ内側のインナーカラー(直径の大きい部分)は約3cmの幅を確保しています。競技用パワーバーでは極限重量でのバーのしなりを抑えるため、このインナーカラーを極力薄くする設計が一般的です。しかしバーが大きくしなるほどの超高重量を扱わない場合、インナーカラーに適度な厚みがある方がラックの支柱とプレートが干渉しにくく、使いやすくなります。

・ブッシング採用の回転機構
バーの回転機構にはスローリフトに最適なブッシングを採用しています。自己潤滑性に優れた複合素材ブッシングと金属製(銅合金)ブッシングを組み合わせにより、スムーズな回転を実現しました。スローリフト中心の用途であれば適度な回転抵抗を持つブッシングはニードルベアリングよりも扱いやすく、耐久性の点でも有利です。

・信頼性の高いスナップリング方式
スリーブ固定にはスナップリング式を採用しました。これは長年にわたり競技用バーベルでも標準として採用されてきた方式で、その信頼性は折り紙付きです。内部を清掃したい場合にも分解が容易で、メンテナンス性にも優れています。


製造ライン上に整列するバーベルを俯瞰気味に捉え、MBCオリジナルバーベルの量産工程と品質管理体制を示す現場シーン
5.なぜリーズナブルな価格を実現できたのか

MBCオリジナルバーベルは、より多くの方に手に取っていただけるよう、価格にもこだわりました。
税込・送料込みで 2〜3万円台 を実現しており、業務用レベルの耐久性を持つ本格的なオリンピックバーベルとしては、これまでにない価格帯だと自負しています。

その実現の背景には、以下の4つの要因があります。

・自社ブランドによる企画・直仕入れ
通常、海外ブランド品を扱う場合、そのブランドに支払う中間マージンが価格に上乗せされます。
しかしMBCでは、製品の企画・設計から直接仕入れまでを自社で一貫して行うことで、余計なコストをカット。さらに、日本人のニーズに最適化した仕様を独自に盛り込むことが可能になりました。

・技術力の高い提携サプライヤーとの連携
MBCでは2020年から自社オリジナルラックの製造を開始し、5年間で累計1,000トン以上の自社オリジナル器具を販売してきました。その中で、技術力・信頼性ともに高い工場との関係を築いており、今回のバーベルもその協力体制のもとで高い品質管理のもと製造されています。

・大量生産と輸送効率の向上
数百本単位での一括発注により生産効率を高め、製造コストを抑制。また、ラックやベンチと一緒にコンテナ輸送することで、物流コストも大幅に削減しています。

・自社サイトでの直販
中間業者を介さず、自社ECサイトを通じて直接お客様に販売。これにより流通コストを最小限に抑え、その分を価格に反映しています。


エンドキャップを真正面から拡大し、MBC POWERロゴと29mm・16kg・190cm刻印を示したオリジナルバーベルの識別デザイン
MBCオリジナルバーベルは、「日本のユーザーにとって本当に使いやすい1本を届けたい」という想いから誕生しました。

これまで私たちは世界の一流ブランドのバーベルを取り扱い、ユーザーからの声を日々蓄積してきました。その経験をもとに、ゼロから企画設計したのがこのオリジナルバーベルです。

競技仕様に縛られることなく、日常のトレーニングに求められる「扱いやすさ」と「耐久性」を両立。使用環境に応じて選べる2種類のサイズ、握りやすく快適なシャフト、静音性に優れたスリーブ、信頼性の高い回転機構など、細部まで実用性を追求しました。

商業ジムやアスリート施設から、ホームジムやパーソナルジムまで。日本のトレーニング環境にフィットする“ちょうどいい1本”として、自信を持ってお届けします。

初心者からベテランまで、誰もが扱いやすく、そして長く信頼できる。
このバーベルこそ、私たちが本気で導き出したひとつの答えです。

 

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筆者:店長 神野
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