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当店では、プロ・学生を問わず、日本全国の数多くのラグビーチームへストレングス器具を納品してきました。
そのなかで、私や営業スタッフが日本各地のラグビー施設を訪問し、実際のトレーニング環境を見てきました。
今回は、そうした経験をもとに、ラグビー施設に適したバーベルについて解説します。
まず前提として、ラグビー施設でフリーウェイト器具が受ける負荷は、一般的な商業ジムやリフティングジムとは大きく異なります。
プロチームであれば40~60人もの大型アスリートが、毎日のように高重量でトレーニングを行います。ときには遠征先へ器具を持ち出し、屋外に近い環境で使用することもあります。
また、ラグビー選手は基礎筋力が高く、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトといったBIG3では、パワーリフターと遜色のない重量を扱う選手もいます。
クリーンなどのクイックリフトも行われるため、バーベルが一日に何十回、場合によっては100回以上ドロップされることもあります。
高重量、高頻度、大人数での使用に加え、落下や衝撃、移動、半屋外での使用など、さまざまな負荷が繰り返しかかります。
ラグビー施設は、バーベルにとって最も過酷な使用環境のひとつです。

こうした環境で重要になるのが、「繰り返される衝撃や動的負荷を想定して設計されたバーベルか」という点です。
ホームジムでBIG3を中心に使用するのであれば、中国製であっても、品質の確かな製品なら数十年にわたって使用できることがあります。
しかし、ラグビー施設では事情が異なります。
過酷な環境で使用されるバーベルは、いずれ定期的な交換が必要となる消耗品です。コーティングの摩耗や錆、シャフトの曲がり、スリーブ内部の破損などが進行し、使用環境によっては数年、長くても十数年で寿命を迎えます。
だからこそ、十分な強度・耐久性の検証を行い、過酷な環境での使用実績を持つメーカーを選ぶことが重要です。
たとえば、ROGUEやELEIKOといった世界的なトップメーカーのバーベルは、導入価格だけを見れば安くありません。しかし、毎日ハードに使用される環境では、安価な製品よりもずっと長期間使用できる傾向があります。
購入価格だけでなく、交換頻度や故障がトレーニングに与える影響まで含めて考えると、結果的には経済的な選択となる場合があります。

私の経験上、ラグビー施設では、種目ごとに細かくバーベルを使い分けるケースはほとんどありません。基本的には、BIG3もクイックリフトも同じバーベルで行われます。
そして、ラグビー選手は前述のとおり、BIG3を非常に高重量で行う傾向があります。
一方、クイックリフトについては、技術習得のハードルもあり、本格的なウェイトリフターと同等の重量を扱う選手は多くありません。瞬発力を高める種目として、技術習得の負担が比較的小さいヘックスバー・ジャンプなどで代替するケースも多いと感じます。
そのため、ラグビー施設では、ウェイトリフティングに特化したバーベルよりも、BIG3を中心に幅広い種目へ対応できる多目的バーが合理的です。
私がラグビー施設に適していると考えるのは、次の2種類です。
BIG3で安定感がありながら、クリーンなどのクイックリフトにもある程度対応できます。
BIG3とクイックリフトの両方にバランスよく対応しやすい仕様です。
反対に、次のようなバーベルは、ラグビー施設の標準バーとしてはおすすめしにくいと考えています。
超高重量のBIG3には適していますが、非常に強いローレットや硬いシャフトといった競技向けの仕様は、多くのラグビー選手にとって過剰です。
特に強いセンターローレットはクイックリフトとの相性が悪く、幅広い種目に使用する標準バーには向きません。
シャフトのしなりが大きく、スリーブの回転抵抗が低いため、ウェイトリフティング競技者レベルの高重量クイックリフトには適しています。
しかし、こうした性能は、多くのラグビー選手が行うクイックリフトには過剰です。また、高重量のスクワットやベンチプレスでは、シャフトのしなりやスリーブの回転抵抗の低さがかえって扱いにくさになります。
競技仕様のパワーリフティングバーやウェイトリフティングバーは、用途を限定した専用バーとして追加するのであれば有効です。しかし、施設の中心となる標準バーとしては、用途が限定されすぎます。

スリーブの構造については、ニードルベアリングよりもブッシングをおすすめします。
ニードルベアリングはスリーブの回転抵抗が小さく、競技ウェイトリフターが行う高重量のスナッチやクリーン&ジャークに適しています。しかし、ラグビー施設で行われるクイックリフトに、そこまで高い回転性能が必要になることはほとんどありません。
一方、ブッシングは構造が比較的シンプルで耐久性に優れ、BIG3とクイックリフトの両方に適した回転性能を備えています。
幅広い種目への対応力と耐久性を重視するラグビー施設には、ブッシング式のバーベルが適しています。

ラグビー施設では、選手の体格、使用重量、使用頻度のすべてが一般的な施設を遥かに上回ります。
その環境で重要なのは、特定の競技に特化した性能ではありません。
高重量のBIG3を安全に行うことができ、クイックリフトにも対応し、長期間のハードな使用に耐えられることです。
そのため、ラグビー施設の標準バーとしては、ROGUEやELEIKOなどの実績あるメーカーが製造する、ブッシング式の29mmまたは28.5mm多目的バーが最も合理的な選択だと考えています。