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世界基準のウェイトリフティングエリアを作るには、まずレイアウト設計と安全基準の徹底が欠かせません。ウェイトリフティング(オリンピックリフティング)のゾーンでは、選手がバーベルを頭上まで挙上し、時には落下させることを前提に設計する必要があります。そのため、一人一人のリフターに十分なスペースを与えるレイアウトを組むことが重要です。

図: 複数のプラットフォームとパワーラックを備えた世界レベルのウェイトリフティングエリアの一例(米軍基地のハイパフォーマンストレーニングセンター)。広いスペースに標準サイズのリフティングプラットフォームが敷かれ、各プラットフォームにパワーラックを連結することで多数の選手が同時に安全にトレーニングできるよう設計されている。
ウェイトリフティング用プラットフォームは標準で2.5m×2.5m程度の正方形サイズが理想とされます。この広さがあればスナッチやクリーン&ジャークなどでバーベルを前後に多少ドロップしても安全に収まります。実際、ウェイトリフティング競技でも使用されるプラットフォームは約2.5m四方が標準です。複数のプラットフォームを設置する場合、それぞれの間に適切な間隔(最低でも数十cm以上)を空け、リフターやバーベルが隣のエリアに干渉しないようにします。またプラットフォーム後方にはスポッターやコーチが立つスペースを確保します。安全上、プラットフォームの周囲には何も障害物を置かず、壁や柱からも十分な距離をとることが望ましいです。たとえば壁際に設置する場合でも、後方にある程度の余裕があると安全です。
パフォーマンスセンターでは、プラットフォーム上にパワーラックを設置し、スクワットやプレス系種目とウェイトリフティング種目を同じ場所で行えるようにするレイアウトも一般的です。ラック脚部がプラットフォームに固定できる製品もあり、例えばELEIKO社製ラックはプラットフォームを連結できる設計となっています。ラックとプラットフォームを組み合わせる際は、ラックとプラットフォームをボルトでしっかり連結し、ラックの足元に段差や隙間ができないように施工します。また、ラック上部のプルアップバーなどを使う際にも天井とのクリアランスを確認し、安全に懸垂などができる高さであることを確認します。鏡や壁との距離も考慮し、バーベルを持った選手が移動や失敗動作で接触しない十分な空間を取ります。
ウェイトリフティングエリアでは、バーベルの落下に耐えるクッション性と防音対策も重要です。標準的なプラットフォームは中央に木板、その両側に厚いゴムマットを敷いた構造で、バーベルが落ちる衝撃をゴム部分で吸収する仕組みです。リフターにはバーベルを必ず左右のゴム部分に落とすよう指導し、木部分に直接落とすと板が損傷する恐れがあるため注意します。安全基準としては、器具の点検と整備も不可欠です。ラックのボルトの緩みチェック、床材の破損チェック、バーベルやプレートの異常(曲がりやヒビ)チェックを定期的に行い、事故を未然に防ぎます。壁面が近い場合は衝撃吸収パネルを壁に貼るといった工夫でより安全性を高める事も考慮しましょう。
以上のようなレイアウト上の配慮と安全基準の順守によって、複数のアスリートが同時に高強度リフティングを行っても安全を確保できる環境が整います。世界基準のウェイトリフティングエリアでは、一人ひとりの選手に充分なスペースと最適な設備配置が与えられ、同時に監督やコーチが全体を見渡しやすい導線になっていることが理想です。

ウェイトリフティングエリアの中心となるのがラック(パワーラック、ハーフラック、スクワットスタンド、リグ等)とリフティングプラットフォームです。これらは頻繁に高重量が扱われるため、頑丈で信頼性の高い製品を選ぶことが重要になります。
当店ではアメリカ製のROGUE社、スウェーデン製のELEIKO社、自社で企画開発を行ったMBC POWERブランドの3つのラインの製品を取り扱っています。
それぞれがアスリート施設向けの強度・安定性で設計されており、拡張性に優れた構造となっていますが、加えて、
ROGUE アメリカ最大手ストレングス器具メーカー、極めて高い堅牢性、全米の大学・プロチーム施設で多数採用
ELEIKO スウェーデンに本拠を置くハイエンドフリーウェイト器具の老舗メーカー、オリンピック公式採用器具を長年担ってきた実績
MBC POWER 日本の施設事情に合わせたサイズ展開、短納期、コストパフォーマンスの高さ
という特徴があります。
世界基準のウェイトリフティングエリアには「堅牢なラック」と「高品質なプラットフォーム」が必須です。これら器具はしっかりした物ほど高価で初期投資も大きいなりますが、信頼できるメーカーの製品は長年にわたり安定した使用が可能で、結果的にコストパフォーマンスに優れるといえます。

ウェイトリフティングエリアのクオリティは、使用するバーベルとプレートの質にも大きく左右されます。バーベルとプレートは選手が直接扱う道具であり、その性能や感触がトレーニング効果や安全性に直結するため、慎重に選定しましょう。
バーベルの選び方: 大きく分けてオリンピックリフティング用バーベル(シャフト径28mm、高いしなりと回転性能)とパワーリフティング用バーベル(シャフト径29mm、剛性が高くしなりにくい)が存在します。パフォーマンスセンターでは両方を用途に応じて揃えることが理想です。オリンピックリフト(スナッチやクリーン)には、スムーズなスリーブ回転が得られるベアリング内蔵バーベルが適しています。ベアリングバーはブッシング(真鍮などの軸受)タイプよりも摩擦が少なく速い回転が得られるため、高速でバーベルを反転させるクイックリフトでも手首や肘に無理な負荷がかかりにくいです。一方、スクワットやベンチプレス、デッドリフトなど最大重量を扱う種目では、剛性が高くしなりの少ないパワーバーが向いています。一種類のバーで両方の用途に使用する場合は、シャフト径28.5mmの多目的バーベルがおすすめになります。
品質面では、世界的に見てもELEIKOとROGUEが双璧と言えます。ELEIKO社のバーベルは1960年代から世界大会で採用され続け、「世界最高のバー」と評されています。一方、ROGUE社も近年USAウエイトリフティング公式認定のオリンピックバーを製造しており、クロスフィット競技会や各国のトップ施設で使用されています。ROGUEのバーは高品質な鋼材と精密な加工によって価格と性能のバランスに優れる点が特徴です。両社の製品であればまず間違いなく信頼できます。加えて、バー径や長さが特殊な女性用15kgバーやジュニア用バーも必要に応じて導入しましょう。
プレート(重り)の選び方: プレートは大別するとバンパープレート(ゴム被覆で落下耐性を持つ)、スチールプレート(鉄製で薄く安価)、コーティングプレート(ウレタンやラバーでコーティングされているが落下耐性の無い製品)の3種類があります。アスリート向けパフォーマンスセンターでは、床に落とす事を想定してオリンピックリフト用に高品質なバンパープレートを揃えるのが基本です。
パワーリフティング系の種目やマシン用にはスチールプレートやコーティングプレートもあると便利です。スチールプレートは厚みが薄いため、バーベルにより多くの重量を載せられます。例えば300kg以上の高重量デッドリフトやスクワットを行う場合、バンパーだけではバーに収まりきらないことがありますが、薄型の鉄プレートを併用すれば対応できます。
最後にカラー(色分け)規格にも触れておきます。オリンピック競技では重量毎にプレート色が決まっており、例えば25kgは赤、20kgは青、15kgは黄、10kgは緑...といった具合です。競技志向の選手が利用する場合、このカラー規格に沿ったプレートを用意すると視覚的に重量認識しやすく、モチベーション向上にも繋がります。一般的なジム用途なら黒一色のトレーニングバンパーでも問題ありませんが、競技者向けにはカラータイプを検討しましょう。
総じて、バーベルとプレートは「安物買いはケガの元」と言われるほど品質が重要です。実績あるブランドの製品を選び、定期的に手入れ(バーの回転部のオイル差し、プレートの割れチェック等)を行えば、何年も快適に使用できます。特にバーベルは一度曲がったり摩耗すると性能が著しく落ちるため、信頼性重視で選定してください。質の高いバー&プレートの組み合わせは、選手にとってトレーニングの「武器」となり、パフォーマンスセンター全体の価値を高めてくれるでしょう。
パフォーマンスセンターを運用する上では、競技種目ごとにトレーニングニーズが異なることを念頭に置き、種目に適した器具の組み合わせを用意することも重要です。サッカー選手とラグビー選手を比較すると、必要とされるフィジカル能力が異なるため、重視すべきトレーニングと器具も変わってきます。以下にサッカー向けとラグビー向けの器具組み合わせの一例を紹介します。
サッカー選手向け: サッカーでは俊敏性(Agility)や瞬発的なスピード、下半身のパワーが重要です。同時に全身の筋力強化も必要ですが、ラグビーほど絶対的な筋力は求められません。そのため、サッカー選手向けのジム器具構成ではクイックリフトと俊敏性ドリルに重点を置きます。具体的には、クリーンやスクワット、デッドリフトなど爆発的バワーと筋力を伸ばす基本リフトはプログラムの核になります。これらを行うバーベルセットとパワーラックは必須です。またプライオメトリクストレーニングのために、ジャンプ用のプライオボックスも有用です。加えてサッカーでは方向転換の速さや足の回転数が鍵となるため、ラダー(はしご)やハードルといった敏捷性向上ツールも取り入れます。ラダーやミニハードルを使ったフットワークドリルは、ボールタッチ練習と並んで重要で、小刻みなステップ練習により下肢の反応速度を高め、着地動作の習熟による怪我予防にも繋がります。例えばラダードリルで素早い足さばきを競争形式でトレーニングしたり、ミニハードルジャンプで瞬発力と着地安定性を鍛えることが効果的です。その他、片脚バランストレーニング用のスライドボードやバランスディスク、股関節周りの可動域を広げるミニバンドなどもサッカー選手には有益でしょう。心肺持久力も重要な競技なので、後述のコンディショニングエリアにあるようなエアロバイク(エアバイク)やローイングエルゴメーターを用いてインターバルトレーニングを行うのも有効です。
ラグビー選手向け: ラグビーではフットボール系スポーツの中でも突出して筋力と身体衝撃への耐性が求められます。スクラムやタックルなど直接的な肉体のぶつかり合いが頻繁なため、上半身・下半身ともに最大筋力の強化と、怪我を防ぐための頑強な肉体作りが必要です。そのためラグビー選手向けの器具構成では、高重量トレーニングと全身強化マシンを充実させます。具体的には、パワーラック+オリンピックバーベルセットは言うに及ばず、スペシャルティバー(特殊バーベル)の活用も有効です。例えば肩や首を痛めやすいラグビー選手には、通常のバーベルより肩への負担を軽減できるセーフティースクワットバー(SSB)が有用です。SSBは肩関節可動域に制限がある選手でもスクワットを継続でき、安全に高重量を扱えます。また、ラグビーでは上半身の強さも重要ですが肩を酷使しやすいため、マルチグリップバーでのベンチプレスも肩への負担軽減に役立ちます。これは握りの角度を変えられる特殊シャフトで、肘を締めたフォームでのプレスが可能になり、肩関節のストレスを軽減します。

さらにラグビーでは押す力と地面を押し出す力(水平推進力)を鍛えるトレーニングが有効です。その代表がプッシャー(スレッド)の活用です。スレッド(ソリ)を押すトレーニングは、スクワットなど垂直方向の力だけでなく、スクラムのような水平方向の力発揮を鍛えるのに最適です。スレッドにプレートを積んで押す・引くことで、脚力と臀部・背筋のパワーを実戦的に向上させられます。スクラムの姿勢強化やタックル時のドライブ力アップにも直結するでしょう。
加えて、ラグビーではハムストリングや臀筋など身体後面(Posterior Chain)の強化も重点項目です。これにはグルートハムデベロッパー(GHD)やリバースハイパーが有効で、ハムストリングの筋力強化と膝・腰の傷害予防につながります。

最後に、ラグビーでは選手が身体のあちこちに故障を抱えがちです。腰や肩に問題を抱える選手でも下半身を追い込めるベルトスクワットマシンは非常に有用です。ベルトスクワットはバーベルを担がずに腰にベルトを巻いて荷重するため脊柱への圧迫を避け、股関節と脚力の強化が可能です。怪我のある選手のリハビリや、スクワットのボリュームを増やしたいが腰を休ませたい場合などに重宝します。総じてラグビー向けには、高重量に耐えるラック・バーに加え、特殊バーベル、プッシャースレッド、後面強化マシンなどをバランス良く配置し、全身のあらゆる要素を強化できる環境を整えます。
以上、サッカーとラグビーという対照的なニーズの例を示しましたが、実際にはチームや選手個々の弱点強化に応じて組み合わせをカスタマイズすると良いでしょう。たとえばバスケットボール選手であれば垂直跳び強化のためのプライオボックスやアンクルウェイト、野球のピッチャーであれば回旋筋群を鍛えるケーブルマシンやチューブ、といった具合です。競技特性と個人特性に合わせて適材適所の器具を配置することで、パフォーマンスセンターの効果を最大化することができます。