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MBC POWER Shop Renewal Opening
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挑む力に最高の器具を!パラ・パワーリフティングとELEIKOの解説。

挑む力に最高の器具を!パラ・パワーリフティングとELEIKOの解説。

パラ・パワーリフティングとは

パラ・パワーリフティングは、下肢に障がいのある選手や低身長の選手を対象としたベンチプレス競技です。

障がいの種類や程度によるクラス分けはなく、男女それぞれ10段階の体重別クラスで競技が行われ、純粋に上半身の筋力によって記録を競います。競技中は脚をベンチに伸ばした状態で行い、脚部はベルトで固定されるため脚の踏ん張りは使えず、腕と上半身の力だけが頼りです。

競技では選手は専用のベンチに仰向けになり、ラックからバーを外して静止します。その後、審判の合図に従ってバーを胸まで降ろし、止めてから再び押し上げます。これが1回の試技となり、各選手には通常3回の試技が与えられます。3人の審判による判定(ホワイト/レッドのランプ)で挙上が成功かどうかが決まり、最も重い成功挙上重量で順位を競います。

 この競技はパラリンピック公式種目の一つで、1964年の東京パラリンピックで「ウェイトリフティング」(ベンチプレス)の名称で初開催されました。その後1984年のパラリンピック(ニューヨーク&ストークマンデビル大会)から現在のパワーリフティング競技が正式に導入され、以降すべてのパラリンピックで実施されています。

女子種目が加わったのは2000年のシドニーパラリンピックで、以降女性アスリートの参加も飛躍的に増加しました。主要国際大会としては、4年ごとのパラリンピックの他、2年に1度の世界選手権(ワールドパラパワーリフティング主催)、地域選手権(3年に1度)、そして年間を通じてワールドカップやグランプリシリーズなどが開催されています。

世界選手権は1994年にスウェーデン・ウプサラで初開催され、2017年以降は開催頻度が4年に1回から2年に1回へと変更されました。近年ではパラリンピックで300kg超の挙上が達成されるなど記録も向上しており、競技人口・参加国数ともに拡大しています。

 

ELEIKOとパラ・パワーリフティング

ELEIKO(エレイコ)社はスウェーデンに本拠を置く世界的なウエイトリフティング・パワーリフティング器具メーカーであり、2005年から国際パラリンピックパワーリフティング連盟(WPPO)のオフィシャルパートナー兼認定サプライヤーを務めています。

WPPO公認の大会(世界選手権や各地域選手権など)ではすべてELEIKO製のベンチ、バー、プレートなど公式器具が使用されており、ELEIKO社は競技用器具の提供を通じてパラ・パワーリフティングの発展を支えています。

六十年以上にわたる実績を持つELEIKOの製品はその品質と安全性に定評があり、WPPOの厳格な基準にも適合した世界標準の器具として信頼されています。

実際、ELEIKOはこれまで数多くの国際大会に公式器具を提供してきました。例えば2019年にカザフスタンのヌルスルタンで開催された世界パラ・パワーリフティング選手権では、75か国から約500名の選手が参加しましたが、大会で使用された競技用ベンチやプラットフォーム、バーベルやプレート類一式はすべてELEIKO社がカスタム仕様で用意し、選手のウォームアップ用も含め合計10台のベンチステーションが設置されました。

このようにELEIKOは大会運営面でも機材設営やテクニカルサポートを提供しており、世界各地の大会で培ったノウハウは日本国内で競技会を開催する際にも大いに役立つでしょう。

さらにELEIKOとWPPOは器具提供にとどまらず、競技の技術革新にも協力しています。近年ではバーベルに動作センサーを組み込んだ「スマートバーベル」を開発し、挙上の速度や軌道などのデータをリアルタイムに取得できるシステムを導入しました。

これはELEIKOが特許を取得した最新技術で、バーベルのスリーブ部分にセンサーを内蔵することで選手やコーチが外部機器を取り付けることなく精密なリフト分析を行えるようにしたものです。

このような取り組みは競技者のパフォーマンス最適化や観客への競技理解促進につながると期待され、WPPOとのパートナーシップによって実現した革新的プロジェクトの一例と言えます。


ELEIKOのパラ・パワーリフティング競技用器具

ELEIKOが開発したパラ・パワーリフティング競技用ベンチプレス台。通常のベンチより横幅・長さが拡張され、脚部を支える台が備わっている点が特徴です。


ELEIKOのパラ・パワーリフティング用公式ベンチは、WPPO規格に則り特別設計された競技用ベンチ台です。全長約2.1mで高さ49cm、横幅は頭部側で30cm、下半身側では61cmと段階的に広くなる形状で、下肢の安定を確保しつつ上半身の動きを妨げない構造になっています。クッション部分には硬めのパッドを採用し、選手が力を発揮しやすい適度な快適性と高い耐久性を両立しています。さらに、安全面にも配慮されており、万一挙上に失敗した際にバーを受け止める可動式のセーフティアーム(ストッパー)がクロームメッキ仕上げで備え付けられています。選手の脚部は必要に応じてベルクロ式の固定ベルトでベンチに固定できるようになっており、体幹のバランスがとりづらい選手でも安心して最大限の力を発揮できる設計です。

 

バーベルについても、ELEIKOはパラ・パワーリフティング競技専用のモデルを提供しています。ELEIKO製WPPOコンペティションバー(20kg)はWPPOの認証を受けた公式バーで、同社独自のスウェーデン鋼を素材に用い、高強度・高弾性を実現しています。グリップ径は通常のパワーリフティングバーよりわずかに細い28mmに設定されており、手の小さい選手でも握りやすくコントロールしやすいよう配慮されています。また、最もグリップの強い火山型のローレット(滑り止め刻み模様)が施されており、握力の弱い選手でもしっかりとバーを保持できるよう工夫されています。

このバーには前述のセンサー内蔵型のモデルも存在し、2020年以降に製造されたWPPOバーはセンサーキットを組み込める仕様となっています。競技中に外部機器を取り付けなくてもバー自体が挙上データを記録できるため、選手の集中を妨げずにトレーニング分析が可能です。

プレート(重り)もELEIKOの競技用プレートが使用されます。WPPO公認のELEIKOコンペティションプレートは、各重量ごとに色分けされた鉄製円盤で高い精度で校正されたものです。規定では5kg超のディスクは+0.1%~-0.05%以内の誤差に収める必要がありますが、ELEIKO社のプレートは±0.05%以内という厳しい公差で製造されており、計量誤差を最小限に抑えています。

パラ・パワーリフティング向けには、特に大重量用に50kgの特大プレートも用意されている点が特徴です。世界記録級の挙上では総重量300kgを超えることもあるため、50kgプレートを使用すればバーに装着するディスク枚数を減らせ、ラックからの取り外しやセッティングが円滑になります。

これらELEIKO製品はすべてWPPOの定める仕様・基準を満たしており、公式大会で安心して使用できるよう設計されています。ELEIKOの社是である「最高の製品でアスリートのパフォーマンスを最大化する」という理念のもと、耐久性・使いやすさ・安全性に優れた器具が提供されているのです。

 

日本におけるパラ・パワーリフティング

日本におけるパラ・パワーリフティングは、近年に競技人口が増加し、着実に発展の兆しを見せています。競技力の面でも、大堂秀樹選手、宇城元選手、三浦浩選手といった日本を代表するパラ・パワーリフター達がパラリンピック入賞という快挙を果たし、多くの人々に感動と勇気を与えました。さらに、パリ2024大会には佐藤和人選手が男子107kg級で出場し、日本のパラ・パワーリフティングは世界に確かな存在感を示しています。

このような流れを支えているのが、1999年に設立された日本パラ・パワーリフティング連盟(JPPF)です。同連盟は選手の強化育成と競技の普及の両面に力を入れており、合宿や国際大会派遣、用具・設備の整備などに取り組んでいます。海外コーチの招聘や科学的トレーニングの導入など、世界基準に向けた体制強化も進められています。

また、この競技は「誰もが限界に挑戦できる」というユニークな魅力を持っており、上半身のみで勝負するため、障がいの程度にかかわらず純粋な筋力勝負が可能です。このインクルーシブな特性から、障がいの有無を問わず、多様な人が関われる競技として注目されています。

今後は、競技機会のさらなる拡充や、質の高い器具・設備の導入を通じて、選手たちがより良い環境で挑戦できる場を整えていくことが求められます。そして、一人でも多くの日本人選手が国際大会で輝くことで、パラ・パワーリフティングの魅力が広く伝わり、競技の未来がより明るく拓けていくことでしょう。

日本を代表するパラ・パワーリフター大堂秀樹選手

 

おわりに

パラ・パワーリフティングは、鍛え抜かれた上半身の力だけで限界に挑むダイナミックかつ感動的なスポーツです。その舞台裏では、選手たちの並々ならぬ努力と、それを支える質の高い器具の存在があります。

ELEIKO社の日本正規代理店である私たちも、WPPO公認器具のラインナップ拡充とプロモーション強化を通じて、この競技の発展に寄与していきたいと考えています。世界トップクラスの公式器具が日本国内でも手に入る環境を整えることで、選手たちは国際大会と同じ条件でトレーニングや記録挑戦ができるようになります。

これはパフォーマンス向上に直結するだけでなく、新たな競技者育成や競技環境の安全性向上にも大きく貢献するでしょう。 パラ・パワーリフティングの魅力は「誰もが自身の限界に挑み、その成果を分かち合える」点にあります。

ELEIKOの理念である「Raise the Bar(更なる高みへバーを上げよ)」の言葉どおり、選手一人ひとりが自己ベストというバーを上げ続け、その姿が多くの人々に勇気と刺激を与えてくれるはずです。私たちは、その挑戦を陰ながら支える良き“縁の下の力持ち”として、信頼できる器具と情熱を持って日本のパラ・パワーリフティング界を盛り上げていきます。共にこの競技の可能性を信じ、より多くの人々がパワーリフティングの感動と興奮を共有できる未来を築いていきましょう。

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