Skip to content
MBC POWER Shop Renewal Opening
MBC POWER Shop Renewal Opening
セーフティスクワットバー徹底解説

セーフティスクワットバー徹底解説

 

セーフティスクワットバーとは?定義と構造

セーフティスクワットバー (Safety Squat Bar, SSB) とは、スクワット用に設計された特殊なバーベルの一種です。その最大の特徴はバー中央部に厚いパッド付きの担ぎ部分と、前方に突き出た2本のハンドルを備えている点です​。

さらに、バー両端(プレート装着部)が通常のストレートバーより下方にカーブ(キャンバー)しており、重心が身体の前方(バックスクワットとフロントスクワットの中間辺り)に位置する独特の形状になっています​。

この構造により、リフターはバーを肩で安定させながらハンドルを握って支えることができ、仮に手を離してもバーが背中から滑り落ちにくい設計になっています​。

つまり、セーフティスクワットバーは「肩で担げるスクワット専用バー」であり、重い重量でもバランスを取りやすく、安全にスクワット動作を行うために開発された器具です。

通常のバーベルとの違い:利点と欠点

通常のオリンピックバーベルと比べて、セーフティスクワットバーにはいくつかの重要な違いがあります。

まず、ハンドルとパッド付きキャンバー構造のおかげで肩や肘への負担が軽減されます。

ストレートバーでのバックスクワットは肩の柔軟性が要求され、特にローバーでは肩関節を痛めることもありますが、SSBではハンドルが体の前にあるため肩の可動域をほとんど必要としません。

その結果、肩や肘を痛めずにスクワットを続けられるという利点があります。特に肩の可動域が狭い人や肩を酷使するアスリートにとって「肩に優しい」スクワットが可能になります。

通常のバーベルスクワット(左)では肩関節の柔軟性を要求されるのに対し、セーフティスクワットバー(右)は肩の可動域をほとんど必要としません。

 

また、セーフティスクワットバーは体幹をより直立に保ちやすい傾向があります​。重量がバックスクワットよりも前方にかかるため、通常のバックスクワットとフロントスクワットの中間的な姿勢になり、結果として腰や背中への前傾による負担を軽減できます​。これは脊柱に優しく、安全性が高いというメリットにつながります。

さらに特徴的なのは、SSBでスクワットを行うと上背部(僧帽筋下部など)への負荷が大きくなる点です。バーのキャンバーにより重量が前方に引っ張るため、姿勢を維持するには通常以上に上背部の筋力が必要です​。この負荷の掛かる方向の違いによって、スクワット中に弱点となりやすい上背部や体幹を強化できるメリットがあります​。実際、セーフティスクワットバーを使えば普段鍛えにくい上背部に自然と負荷がかかるため、スクワットで背中が丸まりやすい人や腰・首を痛めがちな人に特に有効とされています​。

 

一方で欠点や注意点もあります。前述のようにバーが身体前方に引っ張る設計ゆえに姿勢維持が難しく感じる場合があることです​。特に上背部や体幹が弱い初心者は前方に引かれて身体が丸まりやすく、「スクワットが難しい」と感じるかもしれません。しかし裏を返せば、これは上背部や体幹を強化する良いトレーニング刺激とも言えます​。適切な重量設定とフォームで取り組めば、この特徴を活かして姿勢維持筋力の向上につなげることができます。

まとめると、セーフティスクワットバーは肩や背骨への負担軽減・体幹強化・安全性向上といった利点がある一方、慣れないうちは姿勢維持が難しいといった側面があります。これらの特徴を理解し、目的に応じて通常のバーベルと使い分けることが重要です。

 

実際にセーフティスクワットバーでスクワットを行う動画。SSBスクワットではバックスクワットとフロントスクワットの中間的な負荷を得られるという特徴があります。

 

初心者から上級者までの活用方法(目的別)

セーフティスクワットバーは初心者から上級者まで幅広い層のトレーニーに有益です。その活用法を目的別に見てみましょう。

 

  • 初心者のフォーム習得:スクワット動作の導入練習に最適です。SSBは前傾しすぎると前方に引っ張られるため、自然に正しい姿勢(胸を張り背筋を伸ばす)でスクワットすることを促してくれます​。また肩の可動域が原因でスクワットが難しい初心者でも、ハンドルを握るSSBなら安心して練習できます。結果として正しいフォーム習得と柔軟性不足の克服に役立ちます。

 

  • 中〜上級者のスクワット記録向上:既に高重量を扱えるトレーニーにとっても、SSBは新たな刺激を提供します。通常のバックスクワットでは鍛えにくい上背部や体幹を強化できるため、その弱点を補強することで最終的に通常のスクワットの記録向上につながります。実際に中上級者向けのプログラムでは、SSBスクワットをアクセサリー種目として取り入れ、バックスクワットの底上げに活用するケースが多く見られます。

 

  • 安全な高強度トレーニング:最大重量に近いスクワットを行う際も、SSBならより安全に実施できます。ハンドルがあることでスポッター(補助者)がいなくても自分でバランスを取りやすく、万一潰れてしまった場合もバーベルを手で支える必要がないためラックを掴んで立ち上がれるという安心感があります。またパッドのおかげで肩や首への局所的な圧迫痛も少なく、身体へのダメージを抑えつつ追い込んだトレーニングが可能です。

 

  • 種目バリエーションの拡大:SSBはスクワット以外にも様々なエクササイズに応用できます。たとえばグッドモーニング(上半身の前傾運動)では、SSBを使うとバーが前方に逃げにくく背中にフィットするため安全かつ効果的です。同様にランジステップアップでは手でバーベルを支える必要がない分、フォームに集中できます。このように1本で多彩なトレーニングができるため、トレーニングレパートリーの拡大に大いに貢献します。

 

以上のように、セーフティスクワットバーは初心者のフォーム矯正から上級者の弱点強化、さらには安全面の向上と種目バリエーション追加まで、あらゆるレベルのトレーニーにメリットをもたらすツールです。

 

S&Cコーチやジム経営者が導入を検討する際のポイント

ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチやジム経営者にとって、セーフティスクワットバーの導入は多角的なメリットがあります。以下の観点から、その価値を整理してみましょう。

 

  • 安全性と障害予防:セーフティスクワットバーはその名の通り安全性に優れ、ケガのリスクを減らすのに役立ちます。肩や肘の可動域に制限があるアスリートでも無理なくスクワットを継続でき、肩関節痛や肘痛の悪化を防止できます。例えば、肩を手術した選手や上半身に故障を抱えるクライアントでも、SSBならハンドルを握るだけでバックスクワット動作が可能です。「怪我をしても下半身のトレーニングを止めない」というトレーニングメニューの拡張ができるため、リハビリ中の選手のトレーニング代替手段としても有効です。

 

  • 多用途性(汎用性)の高さ:一本のSSBで初級者から上級者、一般人からアスリートまで幅広い指導が可能です。高重量のスクワット強化はもちろん、フォーム習得や弱点補強、他の種目への応用まで「オールインワン」のツールとして活躍します。特に限られた設備で多様なニーズに応えなければならない施設(小規模ジムや学校のウェイトルーム等)において、SSBの存在はトレーニングの幅を大きく広げてくれるでしょう。

 

  • 顧客層への適応性:パワーリフターやウェイトリフターなど上級者だけでなく、一般のフィットネス愛好家や高齢者にとっても有用なのがSSBです。高齢の方や初心者で肩にバーベルを担ぐのが怖いという場合でも、パッド付きで安定したSSBなら安心感があります。結果としてより多くの顧客にスクワットを提供できるため、ジムとしてのサービス向上につながります。またアスリートの指導においては、SSBで鍛えた上背部や体幹の強さが他競技のパフォーマンス向上に寄与するケースも多く、コーチにとって信頼できるトレーニング手段となります。

 

  • 差別化と付加価値:まだSSBを導入していない施設がある中で、自ジムにSSBがあること自体が競合との差別化ポイントになります。トレーニーに「専門的で本格的な設備が整っている」という印象を与えられ、上級者層の取り込みや話題性の向上にも寄与します。実際、セーフティスクワットバーは日本でも徐々に導入が進んでいるものの一般的な存在ではないため、「うちのジムにはSSBがあります」とアピールできれば付加価値になるでしょう。

 

総じて、セーフティスクワットバーの導入はコーチや経営者にとって安全性の強化・トレーニングの幅拡大・顧客満足度向上・施設の価値アップといった恩恵をもたらします。設備投資としてのコストはあるものの、その効果を考えれば導入を検討する価値は十分にあると言えます。

 

KABUKI トランスフォーマーバー の特徴と独自構造

Kabuki Strength社「トランスフォーマーバー」、カム角度はヒップヒンジからゴブレットスクワットまで6種類のスクワット動作に対応しており、各設定で重量バランスが変化する革新的な構造を備えます。

 

KABUKI トランスフォーマーバーは、セーフティスクワットバーの中でも特に革新的な調整機能を備えたモデルです。最大の特徴は、バーのキャンバー部分の角度と重心位置を可変式に調整できる点にあります​。

バー中央のポップピン機構により、プレート部分のカム角度を6段階(30度刻み)で切り替えることが可能で、それぞれヒップヒンジ(デッドリフトに近い動作)、ローバースクワット、ハイバースクワット、従来型SSB、フロントスクワット、ゴブレットスクワットに相当する負荷バランスを再現します。

さらに重量の重心を前後にシフトさせて難易度を変える「4段階の難易度設定」も備えており、合計24通りもの負荷特性を切り替えられる画期的な設計です。

このユニークな調整機能により、トレーニーは1本のバーで複数の種目の感覚を練習・強化できるようになっています​。

例えばピン位置を変更するだけで、前傾の強いローバースクワットから前膝への負荷が大きいフロントスクワットまで、バーを担いだまま異なるスクワットパターンを再現できます​。従来のSSBにはないこの柔軟性が、トランスフォーマーバーの最大の売りと言えるでしょう。

品質面でもトランスフォーマーバーは高い評価を受けています。もともとKabuki Strength(米国オレゴン州)で開発された製品ですが、最新バージョンV4は大手のRogue Fitness社(オハイオ州)との提携により製造されており、剛性や仕上げが一段と向上しています。

バー自体の重量は25kgと一般的なSSBよりやや軽めですが、耐荷重は約680kg(1,500ポンド)と非常に高強度です。ステンレス製のハンドルや高密度フォームパッドなど、細部までこだわった作りになっています。価格は高価ですが、「事実上3本分のバーの役割を果たす」ことを考えれば妥当とも言えるでしょう。

まとめると、KABUKI トランスフォーマーバーは調整機能による圧倒的な多様性と高品質を兼ね備えたプレミアムSSBです。「究極のセーフティスクワットバー」と称されることも多く​、予算に余裕があり様々なスクワットバリエーションを追求したいジムや上級トレーニーにとって最適な一本でしょう。

 

ROGUE SB-1 セーフティスクワットバー の特徴

ROGUE SB-1 セーフティスクワットバーは、米国大手Rogue Fitness社によるスタンダードなセーフティスクワットバーです。重量は約32kg(70ポンド)とずっしりしており、ブラックの頑丈なCerakote(セラコート)塗装仕上げが施されています。

シャフト径は約38mm、ハンドル径は25mmでいずれもソリッドスチール製、プレートスリーブはオリンピックサイズの完全溶接構造という重厚な作りになっています。

耐荷重の約450kg(1,000ポンド)でテスト済みとなっていますが、極めて強固なソリッドスチール構造のため、実質的にはそれ以上の重量でも全く問題なく扱える頑丈さを持ちます。

デザインはオーソドックスなSSBそのもので、キャンバーのドロップ(垂下幅)は約14cm(5.5インチ)と適度な前傾負荷がかかるよう設計されています​。このためラックから担ぎ上げた瞬間にバーが前に傾く感覚があり、上背部と体幹にしっかり力を入れて姿勢を保つ必要があります。しかしその分スクワット動作中はバランスが取りやすく、「非常に安定して深いスクワットができる」と多くのユーザーが評価しています​。ハンドルは長めで握りやすく、肩幅の広いリフターでも腕を楽な位置に保てるよう配慮されています​。

クッションパッドは高密度の閉鎖セルフォームで耐久性が高く、価格も米国製SSBとしては中価格帯で、同社の確かな品質管理と保証が付く点を考慮するとコストパフォーマンスに優れたモデルと言えるでしょう。

総じて、ROGUE SB-1 セーフティスクワットバーは「標準的で信頼できるSSB」で、「まず一台導入するならコレ」と言われる安定した性能を備えています。ホームジムから商業ジムまで幅広い環境で活躍しており、堅牢性・使い勝手・価格のバランスに優れた一品です。

 

GYMWAY アジャスタブルハンドルSSB の特徴

GYMWAYアジャスタブルハンドルSSBの外観。中央部に特殊な可動ハンドル機構を備え、5段階でハンドル角度(負荷バランス)を調整可能。全長215cmだがスリーブを取り外して約151cmに短縮でき、省スペース収納にも配慮しています。

 

GYMWAY アジャスタブルハンドルSSBは、台湾のGYMWAY社が製造するセーフティスクワットバーで、その名の通りハンドル部分の角度調整機能を備えていることが最大の特徴です。バー中央の可動式ハンドルは5段階に角度を変えることができ、これにより担ぐ際の重量バランスをバックスクワット寄りからフロントスクワット寄りまで調整可能となっています​。トレーニング中でもワンタッチで切り替えられる構造のため、セットごとに負荷のかかり方を変えてトレーニングするといった使い方も容易です​。

基本スペックは、バー重量26kg、全長215cm、スリーブ径50mm。高強度スチール製で耐久性も高く、商用ジムでの使用にも耐える品質です。ユニークなのはスリーブ部分を着脱可能な点で、工具無しでネジ式ノブを外せば両端のプレートスリーブを取り外せます。これにより保管時や輸送時に全長を約151cmまで短縮でき、狭いスペースにも収納しやすい設計となっています。

GYMWAYアジャスタブルSSBの使用感は、可動ハンドルにより常に最適なバランスを探れるため扱いやすく、きめ細かな負荷調整による使い易さが光ります。またパッドも十分な厚みがあり肩への当たりが柔らかいため、快適に高重量を担ぐことができます。価格は調整機構を備えたバーとしては手頃です。

総合的に、GYMWAY アジャスタブルハンドルSSBは実用性と独自性を兼ね備えた新鋭モデルです。角度調整機構を備えたハンドルや、省スペース性などユーザー目線の工夫が詰まっています。

 

主要3モデルの比較(Kabuki vs Rogue vs GYMWAY)

各モデルを比較すると、KABUKI トランスフォーマーバーは調整機能が突出しておりプロ向けの高価格モデル、ROGUE SB-1 セーフティスクワットバーはシンプルで堅牢な標準モデル、GYMWAY アジャスタブルハンドルSSBは独自機構とコストパフォーマンスに優れた新興モデルという位置づけです。これらは全て高重量に耐えうる設計となっており、用途に応じて最適な一本を選ぶことができます。

 

おわりに:セーフティスクワットバー導入でトレーニングの幅を広げよう

セーフティスクワットバーは、初心者のフォーム習得から上級者のトレーニング強化、さらには指導現場での安全性向上まで幅広いメリットを持つトレーニングツールです。その特殊な構造は当初戸惑うかもしれませんが、一度使えばその有用性に気づくでしょう。肩や腰への負担軽減といった身体への優しさと、上背部や体幹強化といったパフォーマンス向上の両面を兼ね備えたSSBは、まさに「ストレングストレーニングの秘密兵器」です。

もしあなたがトレーニーであれば、ぜひ一度SSBでのスクワットに挑戦してみてください。新たな刺激で停滞を打破できるかもしれません。指導者や経営者の方であれば、施設にSSBを導入することで提供できるトレーニングの質と安全性が向上し、利用者の満足度向上につながるでしょう。「百聞は一見に如かず」です。セーフティスクワットバーを活用して、トレーニングの可能性を広げてみてはいかがでしょうか。安全かつ効果的なスクワットトレーニングで、さらなる高みを目指しましょう。

Previous article 野球アカデミーNEOLABに聞くROGUE エコーバイクが変えた野球ジムの現場
Next article ジム用ラバーマットの解説と選び方ガイド【ホームジムから商業ジムまで】

Agreement to the Terms of Service and Privacy Policy is required.

An error occurred. Please wait a moment and try checking the checkbox again.