
バーベルシャフトの表面に刻まれた細かい滑り止め加工をローレットと呼びます。
(英語圏ではナーリングという呼び方も一般的です。)
ローレットはオリンピックシャフトの使いやすさを決める重要な要素で、用途に合わない粗さや形状のローレットはバーベルを使いづらいものにします。
本ページでは4タイプのバーベルのローレット形状について解説させて頂きます。
1,鈍いエッジを4つ持つ台形のローレット
一つの山に鈍いエッジを4つ持つ台形のローレット。ヒル(Hill、ヒル・丘)型と呼ばれます。
エッジが弱いため皮膚に大きな負担をかけませんが、高重量ではグリップが滑りやすくなります。
2,適度なエッジを4つ持つ火山形のローレット
山の先が噴火口のようにえぐれた形のローレット、ボルケーノ(Volcano・火山)型と呼ばれます。
一つの山に適度な強さのエッジを4つ持ち、台形のローレットと比較してグリップが強い半面皮膚への負担も大きくなります。
グリップ力の強さとフィーリングのバランスの良さから最近のハイエンド品や競技用バーベルは大部分が火山型ローレットになっています。
3,鋭いエッジを一つだけ持つピラミッド型のローレット
一つの山に一つの鋭いエッジを持つピラミッド型のローレット、マウンテン(Mountain、山)型と呼ばれます。
鋭いエッジによるアグレッシブなグリップフィーリングがありますが、火山型と比べて皮膚への負担が大きく実際のグリップも火山型ほど強くないため近年はあまり見られなくなっているローレットタイプです。
理由はよくわかりませんが欧米では一定の人気がありパワーリフティング用バーベルであえて採用されているケースもあります。
ステンレスオハイオパワーバーのローレット拡大図
パワーリフティング競技用シャフトであるステンレスオハイオパワーバーは目の粗い火山型のローレット加工が施されております。このアグレッシブなローレットはグリップが極めて強く、その分皮膚への負担も大きいという特徴があります。
優れたオリンピックシャフトは用途や特性に合わせて適した粗さと形状のローレット加工が施されています。