RPEを導入する前に考慮すべき点

RPEを導入する前に考慮すべき点      Rate of perceived exertion以下RPE(自覚的運動強度)はその人があるエクササイズを行うのに感じた難易度を表す値です。レジスタンスト […]

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RPEを導入する前に考慮すべき点

 

 

 Rate of perceived exertion以下RPE(自覚的運動強度)はその人があるエクササイズを行うのに感じた難易度を表す値です。レジスタンストレーニングでは、ある特定のセットを完遂させるのにどれだけの難易度を感じたかです。この指標により、実際にその人の1-RM(最大挙上重量)を概算することなく、運動強度の負荷をおおよそ表せることを可能にします。一方で、最も運動生理学で普及しているRPEは15の値まですが、MBCオンラインパーソナルではパワーリフターでコーチのRTSのMike Tuchscherer氏によって普及した1〜10までの値を指標とします。1〜10までの値を指標とする理由はレジスタンストレーニングにとって、実用的でアスリートやクライアントにとっても概念化が容易であるからです。

 

(Tuchscherer氏は1〜10システムを説明するために下記の図を作成しました)

 (http://articles.reactivetrainingsystems.com/2015/11/29/beginning-rts/#more-16)

 

 

RPEはコーチが選手のプログラムを組む時に利用できるいくつかのアドバンテージを提供します。しかし、少なからず考慮しなければならない欠点もあります。

この投稿ではRPEベースでプログラムを組む上での利点と欠点について言及していきます。

 

RPEの利点

 

 RPEは選手の正確な1-RM(最大挙上重量)がわからない状況で手助けをしてくれます。このため、アスリートが長期休息やテーパリングからトレーニングに戻った状況で役立ちます。他に考慮される状況としては、怪我からリハビリ後のチームトレーニングへの参加などです。加えて、RPEは、毎日の準備や倦怠感の変化によってストレングスレベルが変化するシーズン中のトレーニングにも役立ちます。疲労などが取り除かれた状態で行われた以前の1-RMに基づいてその日の%を換算しようとするのではなく、アスリートに特定のRPEでトップセットまで挑戦させることは効率的かつ生産的です。

 RPEをトラッキングすることで、アスリートの一般的な筋力レベルを経時的に追跡および監視しながら、その日のコンディションに基づいて調整することもできます。1-RMは、倦怠感、技術、注意力、コンディションなどの要因によって変動します。アスリートがオフシーズンの時期に入ると、何らかの理由により一定の期間トレーニングできない時期があります。そのため、以前テストされたエクササイズを実行する技術と実際の強度レベルはやや低下する傾向にあります。以前の1-RMは正確ではないため、もはやそれに基づきその日のメイン重量・セットを設定するのは生産的ではありません。以前テストしたエクササイズの練習が不足しており、高強度に挑戦する機会が不足し、アスリートがトレーニングを開始して適応するまで、1-RMまたは推定1-RMテストを行うのは効率的ではありません。このため、プログラミングの最初の1~2メソサイクル(計画されたトレーニングの2~6週間)にRPEベースの負荷選択​​を使用し、一般的なフィットネスを向上させ、コア(トラッキングおよびテスト済み)エクササイズを実行します。これらの1~2回のメソサイクルの後、1~6回の最大繰り返しテストを使用して推定1-RMを算出します。前のサイクルの負荷とRPEを使用して、おおよそのテスト負荷を決定し後に、テストに基づいて、次のメソサイクルにパーセンテージベースの負荷選択​​をするのが理想的と言えるでしょう。

 

RPEの欠点

 

 まず主観的です。誰もが様々なエクササイズを完遂する時に知覚する努力は異なります。例えばあなたと私が同じ1-RMで315lbsまでを挙上できるとします。私たちは技術的に同じ1-RMを扱えますが、275lbsのRPE値をそれぞれ評価する場合まったく異なるでしょう。加えて、正確なRPE値を算出するには選手は十分なトレーニング経験と教育が必要です。

 

 つまり、レジスタンストレーニング初心者や学生などにRPE(自覚的運動強度)を採用する場合、選手自身に十分な経験がない場合ある特定の重量を過大評価してRPE値が全く正確に算出できないかもしれません。RPEベースでプログラムを組むときは、アスリートのトレーニング年齢と経験を考慮に入れる必要があります。これらの理由により、トレーニングの年数と経験が高く、比較的正確なRPE値を算出できるアスリートに、RPEベースのトレーニングを提供すべきでしょう。

 

結論

 

 RPEは、トレーニング経験が豊富な選手で、その強度レベルの変動が予想される場合に役立ちます。 シーズン中のトレーニングにRPEベースの負荷選択システムを使用すると、選手はその日のコンディションレベルに基づいて運動強度を柔軟に調整できます。 また、正確な1-RMがわからない場合に、コーチに運動強度を共有することもできます。しかし、RPEはその主観的な性質のために使用が難しい場合があります。 トレーニング経験が浅い選手は、期待された方法でそれを概念化して使用することができないかもしれません。 真の1-RMを実行するためにどれだけ努力を要したか感じられない場合、RPE値を正確に算出することは難しい場合があります。

 

 

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